数学I・数学A 第4問

昨年に引き続き誘導問題。初等幾何をどれだけ使えるかがポイント。

第4問(選択問題)(配点 20)
半径1の円Oの直径ABによって分けられる半円周上を動く点Cがある。$ \triangle ABC$の内接円の中心をDとし,線分CDの延長と円Oの交点をEとする。
次の文章中の [ アイウ ] と [ クケコ ] については,当てはまる文字をA〜Eのうちから選べ。ただし,アとウ,クとコは解答の順序を問わない。
円Oの図

図が与えられてるのでありがたく利用しましょう。この問題は図を良く見て閃かないと解きづらいです。
まずは内接円の中心Dと、CDと円Oの交点Eを図に書き込みます。各角の等角二等分線の交点が内接円の中心になるというのは良いですか?もし御存知なかったらこの問題は選択しちゃいけません。さて、図はこんな感じになってるでしょうか。
D,Eを書き込んだ図

点Dの軌跡を調べよう。Dは$ \triangle ABC$の内心であるから,
$\displaystyle \angle ACD = \frac{1}{2}\angle$[ アイウ ]$\displaystyle $
であり,$ \angle ABE = \angle ACE$により,$ \angle ABE =$   [ エオ ]$ \Deg $となる。よって,A,Bが定点であるから,Eは定点であることがわかる。

誘導に乗って解いてきます。誘導されるたびに図に書き込んでくのが重要です。
まずは$ \angle ACD$について。Dが内心円の中心なので$ \angle ACD = \angle BCD$です。これから
$\displaystyle \angle ACD = \frac{1}{2}\angle ACB$
が言えます。
$ \angle$[ アイウ ]$ = \angle ACB$
つづいて「$ \angle ABE = \angle ACE$により」と誘導があります。この2角は、いずれも弧AEに対する円周角なのでこれが言えます。これも図に書き込みましょう。実はこれで$ \angle ABE$の大きさが求まってます。
というのは。$ \angle ACB$は直径に対する円周角なので大きさは$ 90\Deg$$ \angle ACE$はその半分の大きさなので$ 45\Deg$。そして、$ \angle ABE = \angle ACE$なので、$ \angle ABE = 45\Deg$が言えます。
$ \angle ABE =$   [ エオ ]$ \Deg = 45\Deg$
$ \angle ABE$が定角ということは点Eは定点です。なんとビックリ。なるほどなあと感心しつつ次の誘導に向かいます。

次に,$ \triangle EBD$において,
$\displaystyle \angle EDB = \angle DCB + \angle DBC$$\displaystyle \qquad\angle EBD = \angle ABE + \angle DBA$
に注意すると,
$\displaystyle \angle EDB =$   [ カキ ]$\displaystyle \Deg + \frac{1}{2}\angle$[ クケコ ]$\displaystyle = \angle EBD$
となる。

次の誘導に乗る前に、ここまで色々書き込んだ図の状況を確認しときましょう。こんな風になってるはずですね。
角ABEの大きさまで
ここからは$ \triangle EBD$に着目しろと誘導されてます。見てきましょう。
最初に「$ \angle EDB = \angle DCB + \angle DBC$」が与えられました。$ \angle EDB$$ \triangle DCB$の外角なので、これが言えます。
これを図に書き込みましょう。こうなります。
角EDBの大きさまで
これで、次の「$ \angle EBD = \angle ABE + \angle DBA$」を見なくても、$ \angle EDB = \angle EBD$は解りますね。
あとは$ \angle EDB$の大きさを求めます。図を見れば
$\displaystyle \angle ABE = 45\Deg$$\displaystyle \qquad \angle DBA = \frac{1}{2}\angle CBA$
が解るので
$\displaystyle \angle EDB = 45\Deg + \frac{1}{2}\angle CBA$
が言えます。
$ \angle EDB =$   [ カキ ]$ \Deg + {\displaystyle \frac{1}{2}\angle\mbox{[ クケコ ]}} = 45\Deg + {\displaystyle \frac{1}{2}\angle CBA}$

したがって,$ \triangle EBD$は二等辺三角形でED = EBである。これによりDの軌跡はEを中心とした半径$ \sqrt{\mbox{[ サ ]}}$の円弧であることがわかる。

前の部分で$ \angle EDB = \angle EBD$が言えてるので、$ \triangle EBD$はED = EBの二等辺三角形であるというのは良いでしょう。で、Eは定点でEBの長さは解ります。
円Oが半径1の円で、$ \angle ABE = 45\Deg$であることを思い出しましょう。関係する部分だけを抜き出してみると
EBの長さ
となります。$ \triangle OBE$が辺の長さが$ 1:1:\sqrt{2}$の直角三角形になるんですね。したがって$ EB = \sqrt{2}$。ED = EBから$ ED = \sqrt{2}$。よってDの軌跡はEを中心とした半径$ \sqrt{2}$の円弧になります。
$ \sqrt{\mbox{[ サ ]}} = \sqrt{2}$

$ \triangle ABC$の内接円の半径を$ r$とし,Eからこの内接円に引いた接線の接点とEとの距離を$ l$とする。$ l^2 =$   [ シ ]$ - r^2$であるから,

Eから内接円に接線を引きました。なんか「ムチャしよんなあ」という感じですがお付き合いしましょう。図に書き込んでみます。
内接円への接線
これで$ l$$ r$の関係解りますかね。関係する部分だけを抜き出してみると
lとrの関係
です。辺の長さが$ r, l, \sqrt{2}$の直角三角形になります。よって
$\displaystyle l^2 + r^2$ $\displaystyle = \left(\sqrt{2}\right)^2$    
  $\displaystyle = 2$    
$\displaystyle l^2$ $\displaystyle = 2 - r^2$    
が言えます。
$ l^2 =$   [ シ ]$ - r^2 = 2 - r^2$

$ \angle ABC =$   [ スセ ]$ \Deg $のとき$ l$は最小となり,そのとき$ l^2 =$   [ ソ ]$ \sqrt{\mbox{[ タ ]}} - \mbox{[ チ ]}$である。

$ l^2 = 2 - r^2$が解ってるので、$ l$が最小となるのは$ r$が最大となるときです。
「それは、どんなときかなあ」と呟きながら図を眺めます。どうも次の図のようになるときですね。
rが最大となるとき
内接円の半径は、線分ABとDの距離と等しくなります。点CがBからAに向かって動いていくと、だんだんDがABから離れていって、ある所を過ぎると、だんだん近付いてきます。そして、その境目の点が図のようにCがEOの延長線上にくるときです。
で、このときは$ \angle ABC = 45\Deg$になります。
$ \angle ABC =$   [ スセ ]$ \Deg = 45\Deg$
このときの$ l^2$の値を求めるために、まず$ r$を求めましょう。前の図から
$\displaystyle ED = \sqrt{2} = 1 + r $
なので
$\displaystyle r = \sqrt{2} - 1 $
です。
したがって、
$\displaystyle l^2$ $\displaystyle = 2 - r^2$    
  $\displaystyle = 2 - \left(\sqrt{2} - 1\right)^2$    
  $\displaystyle = 2 - \{2 - 2\sqrt{2} + 1\}$    
  $\displaystyle = 2 - (3 - 2\sqrt{2})$    
  $\displaystyle = 2 - 3 + 2\sqrt{2}$    
  $\displaystyle = 2\sqrt{2} - 1$    
です。
$ l^2 =$   [ ソ ]$ \sqrt{\mbox{[ タ ]}} - \mbox{[ チ ]} = 2\sqrt{2} - 1$
いやあ。図を良く見たら$ r$の大きさイッパツじゃないですか。私は図を良く見なかったので面積計算しちゃいました。次みたいにやりました。
いま$ \triangle ABC$がこういう形
なので面積は
$\displaystyle \triangle ABC = \frac{1}{2}\cdot\sqrt{2}\cdot\sqrt{2} = 1$
です。次に$ \triangle ABC$
という見方をすると
$\displaystyle \triangle ABC$ $\displaystyle = \triangle ABD + \triangle BCD + \triangle CAD$    
  $\displaystyle = \frac{1}{2}\cdot 2\cdot r + \frac{1}{2}\cdot\sqrt{2}\cdot r + \frac{1}{2}\cdot\sqrt{2}\cdot r$    
  $\displaystyle = \frac{1}{2}r(2 + \sqrt{2} + \sqrt{2})$    
  $\displaystyle = r(\sqrt{2} + 1)$    
となります。で、この2式から
$\displaystyle r(\sqrt{2} + 1)$ $\displaystyle = 1$    
$\displaystyle r$ $\displaystyle = \frac{1}{\sqrt{2} + 1}$    
  $\displaystyle = \frac{\sqrt{2} - 1}{(\sqrt{2} + 1)(\sqrt{2} - 1)}$    
  $\displaystyle = \sqrt{2} - 1$    
とやりました。まあ内接円の半径を求めるときは、こういう面積計算することも多いので、覚えといて損はないでしょう。

せぎてつ伝言板
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最終更新日 : 2001年7月8日(日)
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